小林泰三 『百舌鳥魔先生のアトリエ』は、シュールでグロい不安度MAXなクリーチャー達の祭典。

※この記事は以前のブログから改稿して転載してものです。

「あなた、百舌鳥魔先生は本当に凄いのよ!」妻が始めた習い事は、前例のない芸術らしい。言葉では説明できないので、とにかく見てほしいという。翌日、家に帰ると、妻がペットの熱帯魚を刺身にしてしまっていた。だが、魚は身を削がれたまま水槽の中を泳ぎ続けていたのだ!妻が崇める異様な“芸術”は、さらに過激になり…(表題作)。他に初期の名作と名高い「兆」も収録。生と死の境界をグロテスクに描き出す極彩色の7編!

意味のわからないクリーチャーて、本当にすばらしいですよね。

ゲーム『サイレントヒルシリーズ』は「なぜそうデザインされたの?」というクリーチャーが満載で、『SIREN』シリーズと並ぶクリーチャー好き必見の作品だと思います。

サイレントヒルと云えばクリーチャー。
クリーチャーと云えばサイレントヒル。

そして小説の世界では、こう、言えると思います。

小林泰三先生といったらクリーチャー。
クリーチャーといったら小林泰三先生。

代表作、『玩具修理者』も相当アレな存在でしたけれども、「キュートさ」でいうと、この『百舌鳥魔先生のアトリエ』に収録されているクリーチャーたちに軍配があがるのではないでしょうか。
本屋でこの表紙を見た瞬間、☆キュ―(+´д`+)―ン☆てした。

 

代表作、『玩具修理者』も相当アレな存在でしたけれども、「キュートさ」でいうと、この『百舌鳥魔先生のアトリエ』に収録されているクリーチャーたちに軍配があがるのではないでしょうか。
本屋でこの表紙を見た瞬間、☆キュ―(+´д`+)―ン☆てした。

融合し・た・い

なんておぞましカワイイ・・・・!
ベレー帽かぶったピーコちゃんが!
ピーーーーコチャン!ピーーーーコチャン!!!!
アラアラまがまがちいでちゅねえ  ヨーチヨチヨチ

ハアハア   オビを外してみましょう

ババーン

モツチックなものがドゥルルッてなってる、ブリブリプリティな下半身が登場でちゅう~ハーイピヨピヨでちゅ~

画家先生のコスプレをしたピーコちゃん(内臓ダダ漏れ)と秀逸なタイトルの複合技で、一気心をつかみにかかってくる『百舌鳥魔先生のアトリエ』は、魅力的な異形のもの達が満載のホラー短編集。

名言(と勝手に決めつけている)このセリフを生んだ、表題作を含んだ7作品が収録されています。

「あなた、百舌鳥魔先生は本当にすごいのよ!」

ネタバレしない程度に収録作品を紹介。

<収録作品>
「シュグゴス」
「首なし」
「兆」
「朱雀の池」
「密やかな趣味」
「試作品三号」
「百舌鳥魔先生のアトリエ」

シュグゴス

南極に突如発生した、高度な知能を持つ正体不明のクリーチャー群 VS 人類。
ちなみにクリーチャーの泣き声は、事前に『玩具修理者』を読んでいると、ニヤリ、とできます。

首なし

このお話とっても好み・・・!首チョンパされても生きてるクリーチャーもアレ、周囲の人間もアレ。
途中「?」と違和感を感じる部分がありますが、そのまま最後まで読み進めてください。

ある学校の生徒の自殺を機に展開していく、 怖くて奇妙な話。
このお話のクリーチャーは、人のアソコにつけこんでくる、というタチの悪さがゾクゾクします。

朱雀の池

京都を守る南方の守り神、朱雀の池になりたい男の話。
小林先生の醍醐味、”読んでいる人をやたら不安にさせる登場人物の対話” にハラハラ。

密やかな秘密

”密やかな”どころか、その趣味は絶対に墓まで持っていけよ、というレベルの
悪趣味極わりない女性がでてきます。痛くてグロい。

試作品三号

この短編集の中で一番SFなお話。
ホラーというよりファンタジックな、違う世界・不思議な生物のお話。

百舌鳥魔先生のアトリエ

大本命。芸術に目覚めた妻を持つ夫の苦悩。
「あなた!百舌鳥魔先生は本当にすごいのよ!」の名言と共に百舌鳥魔先生のアトリエに通いつめる妻。
百舌鳥魔先生はクリーチャーなのにとっても礼儀正しく謙虚で、好印象しかない。

お気に入りは「首なし」と「百舌鳥魔先生のアトリエ」。

もずませんせい・・・
この名前の語呂の悪さといい、存在のヤバさといい、何より「先生」て敬称で呼ばれてるのがいい。
芸術家なのにぜんぜん気難しくなく、物腰しやわらかく、自分の芸術に命を燃やしてる。

昔見た妖怪の本に 「モズマ(もずま?)」ていう妖怪がいました。
昼間は墓の棺の中でじっとしていて、夜になるとわざわざ自分の皮を表裏ひっくり返して出てくるという、身支度が大変かつ強烈なビジュアルの妖怪なのですが、その挿絵がやたらリアルでトラウマになった記憶があります。
もしかしてアレが元ネタ??なのかな??
百舌鳥魔先生の芸術と妖怪モズマに共通点があるので、やっぱりそうかな?

おぞましかわいい、グロキュートな百舌鳥魔先生が好きな人はぜひ私とおともだちになってください。

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